目をこすりながら、冷蔵庫の前に立つ。私は今、窮地だ。
冷蔵庫のど真ん中に鎮座するたまごと、目で語り合う。
ご飯を作るのが面倒な時。私が頼りにしているのが、たまごだ。
生卵でたまごかけご飯に醤油をかけたら秒で終わる。
少しだけ油を強いて、そのまま割って落とせば目玉焼き。
かき混ぜて焼けばスクランブルエッグに。
さらに手をかければだし巻き玉子にもなる。
この万能さは頼りになりすぎる。
しかも、このたまご、おかずだけではない。デザートにも変身できるのだ。
プリン、カップケーキ、クッキー。実はカスタードが卵からできていると知ったとき、かなり驚いた。
なんだ、このすごい食材は…何にでもなれるのか。ズボラな時も味方な黄色い君が素敵だ。
そして、忘れてはいけない調理法。それは茹でることだ。
ゆで玉子にして潰してマヨネーズと塩コショウを混ぜる。
熱々でサクッとしたトーストに挟んで、たまごトーストに。
ゆで玉子を汁につけたら味玉に。
茹で時間を変えて半熟にしたり、温泉玉子にしたりもできる。
この奥深さも素晴らしいのだ。感服する。
しかも、世にはアレンジの神たちが溢れている。
豚肉を使って角煮風というレシピを見つけたとき、天才かと思った。
醤油の匂いもしてくる気がする。お肉の旨味を吸ったたまごもかなり美味しそうだ。
手間をかけても、かけなくても大体美味しくなる。凄すぎるだろう。
刻一刻と時間が過ぎていく。空腹感が育っていく。
冷蔵庫にあるのは、たまごのみ。買い出しに行くべきか否か。
数十分だけ買い物に出たら、また無限の可能性が広がる。
ただ、お腹を満たしたい。何度もお腹の音が主張してくるのだ。
どうする。まだ賞味期限もある。生卵での使用もオーケーだ。
ほかほかのご飯か。サクッとトーストか…
数分後。
テーブルに並ぶは、湯気の出た炊きたてご飯。
そして、冷凍していた親子煮。
冷凍庫に見つけた第三勢力。これだ。目が光った私。
恨みがましそうなたまごがジト目で睨んでいる気もしたが、下を向いて口元は隠しておいた。
美味である。お腹が満たされ、にんまりと笑った。ごちそうさまでした。
さて、空っぽの冷蔵庫を満たさなければ。もちろん、新鮮たまごの補充は忘れずに。
たまごの相方探しといこうか。

コメント